転職活動完全ロードマップ【序章】
はじめに
はじめまして。ツキオと申します。
貴重な時間をつかって本記事を読んでくれようとしてくださること、まずはお礼を言わせてください。
この『転職活動完全ロードマップ』は、転職活動中の方、まさに転職活動を始めようとしている方、そして、もしかしたら転職をするかもしれないという方のために、私の知識と経験を総動員して書き上げたものです。
今どんな状況にあろうが、どんな仕事をしていようが、どんな職歴だろうが、最初からじっくり読んでいただければ、きっと一般的な転職に関して必要な知識をすべて網羅することができると自負しています。
また、執筆にあたっては、知識の伝達だけではなく、具体的に何をすればよいのか、という行動指針をより多く記載するように心がけました。
転職活動というのは、易しいものではありません。
それぞれに多忙で体力的あるいは精神的に厳しい日々の中で、時間を捻出し、より良い将来を想像しながら努力し、時には気合いで前に進んでいかないといけないこともあります。
しかし、たとえ小さくとも実際の行動が伴い、自分が今いる位置からすこしずつ動き始めたことが実感できれば、その大変さも半減し、希望を膨らませながら転職活動を続けることができます。
ですから本記事では、長期的な最終ゴールを見据えつつ、スモールステップでの具体的な行動に重点を置いています。
皆さまが、転職という高い山を諦めることなく少しずつ登り、頂上で素晴らしい景色を眺める瞬間を心から応援しています。
是非、最後まで読んでいただき、転職という険しい道のりの、ささやかな手助けとしてください。
なお、全て含めると5万字近い分量になっています。
薄いビジネス書とほぼ同等の量ですので、一気に読むのは疲れるかもしれません。
読んでは行動、読んでは行動と、ぼちぼち進めていってくださればと思います。
目次(内容)
※気になる章からご自由にお読みください
【序章】 転職の意義と価値 (現ページ)
第一節 転職の種類
【第一章】 転職の覚悟
第一節 転職をするかしないか4つの基準
第二節 心理的障壁とRMC分析
【第二章】 転職の軸
第一節 やりたいことがないと転職をしてはいけない?
第二節 転職の軸はなぜ必要か
第三節 転職の軸の決め方
【第三章】 転職の基本の“き”
第一節 転職の本質
第二節 「転職」=「労働力の売買」 から見えてくるもの
第三節 市場価値とは?
第四節 市場価値の上げ方
【第四章】 転職活動の準備
第一節 3種の神器
【第五章】 ホワイト企業分析・ブラック企業分析
第一節 ブラック企業の見極めは命にかかわる
第二節 ホワイト企業の特徴8選
【第六章】 転職エージェントを最大限活用する方法
第一節 エージェントサービス利用の必修事項
第二節 エージェントサービス利用のメリット
第三節 エージェント最大活用法
【第七章】 書類作成 〜履歴書編〜
第一節 履歴書の基本の”き”
第二節 減点されない履歴書のための チェックリスト
第三節 大きな減点をカバーする裏技
【第八章】 書類作成 〜職務経歴書編〜
第一節 職務経歴書の基本の”き”
第二節 企業の採用“枠”を分析する
第三節 まとめ 職務経歴書の書き方
【序章】 転職の意義と価値
そもそも、なぜ人は転職をするのでしょうか?
いや、もっと直接的に、あなたはなぜ転職をしようとしているのでしょうか?
もちろん、年収UPや労働環境の改善、といった分りやすい答えがあることは百も承知です。確かに多くの人にとって、労働環境や待遇の改善が転職の意義や価値であることに間違いはないでしょう。
しかし、ここで私がまず問いたいのは、本当に転職の持つ価値は「仕事の待遇を良くすること」だけなのか、ということです。
もっと深く“生きること”と直結したような、人生やあなた自身のパーソナリティと密接に関わっているような転職の価値が、もしかしたらあるのではないでしょうか?
一体、転職をする意義とは何か、転職の価値とは何か、ということを本章では改めて深く考えたいと思います。
これを考えることで、転職に対するイメージが少し変わり、もっと高い視座で転職というものを捉える事ができるのではないかと思います。
第一節 転職の種類
転職の価値や意義を考察するために、まずは転職の種類、タイプについてざっと見ておきたいと思います。
私の独断と偏見でパターンわけをした結果、転職には4つの種類があることがわかりました。
1. 良い待遇を求める転職
このパターンが1番多いかと思います。
例えば、年収を上げる、休日を増やす、残業を減らす、などの目的で行う転職ですね。
最も理解しやすいと思います。説明の必要もないでしょう。
2. 市場価値を高めるための転職
市場価値については、後の章で詳しく説明しますから、ここでは(市場価値=ビジネスマンとしての戦闘力)と解釈しておいてください。
この戦闘力は、経験やスキルや肩書などによって上昇していくのですが、これを高めるために転職はとても有効だと言えます。
優秀なビジネスマンほどこのパターンで転職をしています。
働く場所を定期的に変えることで、最先端の分野へ飛び込んで貴重な経験を手に入れたり、全く異業種へ飛び込んでスキルとスキルの掛け算を狙ったり、とそのやり方も様々です。
会社からもらうものを最大化しようとするのが1の「良い待遇を求める転職」である一方、こちらは「会社で身につけるものの価値」を最大化しようとする転職と言えると思います。
3. やりがいや夢を追う転職
月並みですが、スティーブジョブズの有名なセリフに「毎朝鏡を見て、今日があなたの最後の一日だったとしたら、あなたは今日やろうとしていることを本当にやるだろうか?」というものがあります。
ものすごい煽り力だな、と感心してしまうわけですが、こういう情熱をもって仕事をする人も一定数いるわけです。
そういう人たちにとって、お金や待遇より、職務内容の方が価値が高いことはあり得ます。
理由は後の章で説明しますが、自分の本当にやりたいことが100%決まっていて、それ相応の覚悟もある!という選ばれた人のみが成功するタイプの転職だと思います。
4. 生き延びるための転職
最後は、生存するための転職です。主には、ブラック企業からの脱出と、経営が傾いている企業からの脱出という意味合いでの転職になります。
もしかしたらこの転職が相対的には最も重要かもしれません。何せ命がかかっていますから。
長時間労働やパワハラ、そして経営不振で首になるかもしれないというストレスは、本当に命に関わります。
生活の質を著しく下げる要因となりますので、早急に転職する必要があります。
以上4つの典型的・一般的な転職パターンを見てきました。
さて、ここからさらに以下の問いから、転職の意義と価値について深く考えてみたいと思います。
☆問い
転職の意義や価値は、果たして、「労働環境や、市場価値や、職務内容、安定」を手に入れることだけなのでしょうか?
皆さんはどう思われますか?
難しい問題だと思いますが、少し考えていただきたいと思います。
答えというよりは、個人的な意見ということにはなりますが、私は転職にはもう一つ重要な価値の側面があると思っています。
それは、「自分の生き方を定義し、表明し、実行する手段としての価値」です。
転職をするということは、先ほどみたように「労働環境や、市場価値や、職務内容や、安定」などのよりよく生きるためのタネ、幸福のもとを得る行為です。
しかしその一方で、転職は、
①自分にとってのよりよい人生とは何か?を突き詰め、
②そのために必要な要素を割り出し、
③それらに優先順位を付け、
④それを信じてリスクを取りながらつき進む
という行為でもあります。
私はこの一連の転職プロセスを、「よりよく生きるための自己進化の過程」だと捉えています。転職するという行為そのものが自分を成長させてくれるという感覚ですね。
つまり、転職とは、
・労働環境や、市場価値や、職務内容や、安定など外部から得るもの=ソフトウェア
と
・よりよく生きるための自己進化=自分という人間のハードウェア
のどちらもをアップデートさせる行為に他ならないと思うのです。
最近では、終身雇用などといった夢物語を語る人も少なくなったので転職に悪いイメージを持つ人も減ったのかな、という気はするのですが、まだまだ転職について積極的にプラスのイメージを持つ人は多くありません。
しかし私は、転職活動というものは、人生観をクリアにすること、自分を信じること、レールを外れる勇気を持つこと、自らの選択に責任を持つこと、など自分をたくましくしてくれる要素がふんだんにある、むしろ褒められるべき行動なのではないか、と思っています。
転職というものは、ご存じの通りかなり大変なものです。人間は弱い生き物ですから、変化を嫌います。リスクを取ることには抵抗がありますし、面倒くさいこともしたくありません。
そういう意味で、転職は、人間の本能に反する行動です。
ですから、あなたのように、それを乗り越え、転職しようとする人というのは、自分の人生に責任を持ち、現状に甘んじないという強い向上心を持った人だ、と私には思えてならないのです。もし、自分の生き方や価値観をはっきりとさせることができ、その先にある選択肢が転職であると信じることができるのなら、勇気を持ってその一歩を踏み出してください。
信念と考え抜かれた思考、周到な準備がそろった転職は、必ず人生の幸福度を上昇させるはずです。
それでは次章から具体的に転職活動の中身についてみていくことにします。長い道のりにはなりますが、是非最後までお付き合いください。
早速、【第一章】転職の覚悟、から参りましょう!