転職活動完全ロードマップ【面接編】

どうも、ツキオです。前編の転職活動完全ロードマップをお読みいただき、誠にありがとうございました。前編では、転職活動の準備段階以前、決意の段階から応募書類の提出までの道筋を解説しました。本編では、面接で最終的な内定を勝ち取るまでの道筋を示します。面接という最後の関門を共に進みましょう。

序章に代えて ~ツキオの面接歴史~

まずは、私がこれまでどんな採用面接を受けてきたか、そして現在、仕事として採用面接とどう関わっているかを説明します。少しお付き合いください。

私は今まで自分の就職や転職のため以下の組織の採用面接を受けました。結果とともに挙げてみます。

  • 教員採用試験(合格) ※模擬授業、口頭試問、集団討論あり
  • 公務員試験[市役所](2次試験まで合格、最終試験で辞退) ※集団グループワークあり
  • 大手塾(不合格) ※模擬授業あり
  • 中規模塾(合格) ※模擬授業あり
  • 中規模税理士事務所(不合格)
  • 大規模税理士事務所(合格)
  • 国公立大学事務職員試験(合格)

平均からすると面接を受けた回数というのはやや多いのかな、と思います。ジャンル、組織の規模や性格もまちまちです。不合格と合格を繰り返す中で、中途の採用面接には、決まった面接展開があることに気がつきました。しっかり準備さえすれば、ある一定の勝ちパターンを確立できるな、と思っています。次章以降ではそれをメインにお伝えできればと思っています。

また現在、私は大学職員をしているのですが、職員の採用事務、学生の就活事務も行っています。具体的には、面接官が使用する面接評価シートの作成や結果の集計、応募者への事務連絡(合否結果伝達)、就職説明会の企画・運営に係る事務などです。

実際に面接官をするのはお偉い人たちです。しかし、面接の評価項目は何か、面接中に何をメモしているのか、最終的に何が決定打となるのか、採用の意思決定は組織としてどのように行われるのか、など内部的なことも知る機会がありますので、そのあたりの知識も踏まえて、できる限りわかりやすく面接のコツをお伝えできればと思います。

第二章 転職面接における成功とは?

面接には勝ちパターンがあります。このパターンにさえはまれば、基本的には面接に合格し、採用されます。逆に言えば、このパターンにはまらなければ、必ず落ちます。

一体なんだと思いますか?前編を読んでくださっている方ならピン!と来るかもしれません。ヒントは、職務経歴書の考え方です。

・・・

答えは、

「採用側が想定している採用人物の“枠”にピッタリ合わせる」です。

要は、

【公式】面接に通るかどうか=相手が“採用したい人”のイメージ通りであったかどうか

これだけです。これ意外に一般的な転職面接(引き抜きなどを除く)における勝ちはないです。当たり前の話しかしていないように思われるかもしれませんが、少し掘り下げて説明します。

まず、人を雇う、ということは、採用側にとってとても大きな投資です。年収×〇〇年、の支出ですから当然と言えば当然です。大きな投資は計画なしに行うことはできません。利潤を求める企業であればなおさらです。投資計画は、リターン、リスク、取得コスト、なしでは立ちません。要するに、どれくらい儲けるつもりか、損をするならどんな風に、どれくらいしそうか、いくらまでなら支払ってよいか、ということです。人材投資でも同じです。その人物を採用することで何を得ようとしているのか、その人を雇うことで損をする可能性はどのくらいか、損失の最大はどれくらいか、いくらまでなら支払っても採算が取れそうか、などと考えます。

これをまとめると以下のように言えます。採用側は、人材を応募する時点で、

  • その人物に期待する役割(業務内容)
  • その人物採用のもたらしうる損失の最大値
  • その人物に支払ってもよい金額

以上を明確に持っているわけです。あなたが面接を受ける際に目指すべきゴールはまさにココになります。

前編の職務経歴書の作成の時にも強調しましたが、面接のゴールは、「すごい人、できる人」アピールをすることではありません。あなたがどれだけ優秀でも、採用側の支払える最大費用が年収400万円なら、優秀過ぎる経歴や資格はむしろ害となり、採用枠から大きく外れることとなるでしょう。「私はあなた方が想定されている“採用枠”にどストライクなんですよ!」という印象を植え付けること、それが真のゴールとなります。ゴールを間違えてしまうと準備も走路も結果もまるで違ってきますから、これをよく理解してください。

結論:先方の想定している“採用枠”に自分を重ねていくのが面接のゴール

第3章 面接までの準備


では、これから面接の準備をしていきます。計4ステップとなります。これだけやっておけば大丈夫!と胸を張って言えます。少々時間がかかりますが、お付き合いください。

ステップ① “採用枠”の想定

まずは、これから面接を受ける相手側が想定している採用人物像を明確にします。これがないと面接対応などできません。これは前編の企業分析とかなり近い話になります。手掛かりとなるのは、公式のホームページ、口コミサイト、求人ページなどですが、成れていない場合、どのように考えていけばよいかイマイチわからないかもしれません。

ですからまずは、大まかなあたりをつけるところから始めましょう。

企業の性格と想定人材によって4つの領域を図示します。

まずは、このうちどの領域になりそうか考えてみてください。

ざっくりとあなたはどの領域の転職となりそうですか?

もちろん、領域内にも差はあります。例えば、法人化したてのベンチャー企業だとマトリックスの最先端(左)でしょうが、大手インフラ事業(ガス・電気・鉄道)や元国営企業は、営利企業とはいえ、公的な性格を強く持ちますから図の中心部に近くになるでしょう。

「だいたいマトリックス上では、このあたりの転職になるかな、」と点でイメージできれば、現時点では完璧です。難しければ「ポテンシャル採用」を「非専門的」、「即戦力採用」を「専門的」と読み替えても良いです。

さて、では、その領域内で想定される“採用人物像”を見ていきましょう。

①<第1領域>の採用想定人物像

この領域で重視されやすいのは、「若さ、やる気、積極性」です。ポテンシャルで採用ということは、裏を返せば、「まだ専門性のない人材」を取るつもりがある、ということです。その場合、採用側が想定しているのは、「安く仕入れて育てよう!」です。※言葉が悪いですが、勘弁してください。

ですから、将来が長く、積極的に物事を吸収していくフレッシュな人物像がストライクゾーンになります。逆に、「前職が長く、専門性があり、現在の年収もそこそこある」場合は敬遠される可能性があります。

20代で異業種や異職種への転職の場合、最も狙いやすい領域と言えそうです。

②<第2領域>の採用想定人物像

公的機関は何はともあれ、協調性が重視されます。ポテンシャル採用ということは若手枠なので、それに加えて「素直さ、真面目さ、聡明さ」のような透明感を期待されます。公的機関のポテンシャル採用はほとんどが新卒枠なのですが、20代後半まではギリギリこの枠で勝負できます。

「私ってすごいでしょ?こんなに優秀なんです」という感じのアピールが最悪で、ほぼ確実に落とされます。この領域でガツガツした感じ、個人プレイを匂わせる言動は、一発退場となるので注意しましょう。

⓷<第3領域>の想定採用人物像

この領域が転職において最も多い領域であることは間違いないです。転職の採用枠はほとんどが即戦力枠であり、具体的な担当業務の“空き”やその予定がある状態で募集をかけます。

ここで、最も重要なのはその業務を自分が実行可能かどうか、です。

これを採用側の視点から考えてみます。

半年後にAという業務に穴が開きそうです。そこで、Aという業務内容を示して採用募集をかけます。あなたならAを任せられると判断し採用します。採用後、もしあなたがAという業務をこなせない場合、もしくはAをこなすまでに予想に反して1年間の研修等が必要だった場合、何が起きるでしょう?

採用側は、

  • Aという業務は穴が開いたまま
  • あなたという負債(支払先)は抱えたまま
  • あなたをA以外の業務に振り替える人事的コスト
  • Aを埋めるための採用継続によるコスト増OR研修にかかるコスト増

というダメージを受けることとなります。

ですから、まずは、業務を請け負える!というアピールをしましょう。(入社してしまえばこっちのものですから、実際にできるかどうかなんて気にしなくてOKです。)その安心感を採用側は何よりも求めています。

業務遂行が可能であるという証拠は多ければ多いほど良いです。資格、経験、性格、あらゆる面からアピールしましょう。個人の力を最大限アピールするべき面接はこの領域です。

④<第4領域>の想定採用人物像

非営利企業の即戦力枠は、一般的に言って、非常に門戸が狭いです。この場合、協調性と専門性(あるいは実績)を同時に求められることとなります。もしくは、面接だけではなく、筆記試験、口頭試問等の特別試験が課せられることも多いです。

想定される年代も中間管理職以上が多く、面接では前職での役割やマネジメント経験を最も重視されます。対応が複雑になりますが、ホワイトな転職になることが多いです。


以上、4つの領域について紹介をしました。ざっくりとしたイメージは掴んでいただけたことと思います。しかし、これだけでは不十分です。今度は、その企業や団体の固有のニーズを探ります。転職サイトや広報誌の求人ページ、ホームページ、口コミサイトなどで情報を収集し、分析を行うのが良いでしょう。

具体例として、私が転職する際に行った分析の概要を貼っておきます。こういった感じでニーズの分析を細かく行いましょう。

参考記事:転職活動完全ロードマップ第8章

ステップ② 採用枠ど真ん中のストーリー作り

さて、次の面接準備です。これから面接を受ける相手のニーズは把握しましたか?採用人物像は思い描けているでしょうか?

OKです。それなら、次のステップです

次は、自分をその“採用ストライクゾーン”にねじ込むための武器を用意します。

オススメは、「キーワード狙い撃ち!前職経験を絡めたストーリー作り」です。

どういうことかと言うと、

  • 相手の採用人物像の特徴をキーワードとして表現し、
  • それをアピールできるようなストーリーを、前職経験と絡めて、
  • 複数準備する

ということです。具体例を示しましょう。

私が、大学事務職員の最終面接を受けたときの場合です。

<具体例>

大学事務でも国公立系なので、かなり公務員的性格が強い。20代だったこともあり、領域は2と判断した。ホームページ等を見て、キーワードは「協調性」「協力性」「素直」とした。

教員時代の経験をもとにいくつかエピソードを準備。

  • 生徒指導のライン(どのレベルでどの程度の指導を入れるか)を独断せず、主任やその他担任との相談の上、足並みをそろえて行い、その結果、説得力のある指導ができ、クラスが落ち着いていた。
  • 女子生徒の指導が得意な教員、男子生徒の指導が得意な教員、などそれぞれの教員の特性を把握するよう努め、何か起こった時には、直属の上司以外にも的確なアドバイスや協力が得られそうな教員のもとへヘルプを求めた。その結果、事態は最小限度の被害で済んだ。

ちなみにこのエピソードでは、暗に「上司や先輩に素直に助けを求める真面目な後輩像」も演出しています。もちろんそれが“採用人物像”だと思ったから、あえてそういうエピソードを選び、作っているわけです。本当の自分をさらけ出して勝負!じゃないってことは理解してください。

また、勘の良い方はお気づきでしょうが、「その結果~」というように成果を同時に披露できると尚よいです。もちろんエピソードの性格によってそうはいかないこともあるでしょうから、絶対ではありません。

これらエピソードは、実際その場でも作れることは作れます。前職での経験が深い人や、本気で仕事に取り組んできた人は、すぐに2つや3つは作り出せることでしょう。しかし、エピソードの質を上げるためにも、事前に自信作を最低3つは準備しておきたいところです。

3つ作れたら、次のステップへ参りましょう。

ステップ③ 面接の流れ(質問内容)と対応基本方針を知る

転職の面接にはパターンがあります。

これまで1次・2次・最終などをカウントすると10回以上の転職面接を受けてきましたが、その内容は本当にびっくりするほど似通っていました。

ここでは、その典型的なパターンを頭に入れていただきます。このパターンさえ頭に入れておけば、面接中の驚きやサプライズというものがほぼゼロになると言ってよいと思います。こういった流れでこういった系統の質問がなされる、ということをまず知りましょう。敵を知り己を知れば100戦危うからず、ですね。

同時に、それぞれの項目の重要度や対応基本方針を示します。

【転職面接の流れ】

流れ① アイスブレイク

何でもないことを聞かれます。

どうやってきたの?来るのにどれくらいかかったの?みたいなやつです。

評価には一切影響がありませんので、好きに答えましょう。

ただ重要なことがあります。それは、そもそもこのアイスブレイクがあったかどうか、ということです。

それなりの企業は、面接の流れ(内容)が、アップデートされ、最適化されていくものです。アイスブレイクを意識して取り入れていない、ということはそもそも、採用活動を本気で最適化していない、時代から取り残されている企業の可能性が高いです。もしくは、面接したら皆合格、というようなブラック企業の匂いがします。アイスブレイクは面接のスタンダードです。こちらが相手のレベルを見極める、という観点から、アイスブレイクの有無はチェックしておきましょう。いきなり、志望動機から入ってくる企業は、正直微妙です。

【対応方針】

  • 評価に影響はないため、リラックスして受け答えをする
  • アイスブレイクを取り入れていない場合、ブラック企業でないかどうか怪しむ

流れ② 志望理由

シンプルに簡潔に、筋が通った志望理由がベターです。70点を取りに行くつもりでちょうどよいでしょう。とにかく防御力を重視します。(この後突っ込まれることになるからです)

複雑、抽象的、長い、自分にしかわからない、そういった志望理由はいかに本心のものであっても、崇高なものであっても、地雷です。たくさんの言葉、説明を要する志望理由はダメです。

また、転職の場合、志望理由を述べる上で退職理由にも触れざるを得ない場合もあるかと思います。その場合、退職理由の部分については、何があっても前の職場を悪く言ってはいけません。すべて自己責任とします。さらに、退職理由と志望理由の比率は、必ず志望理由のほうに重きを置くべきです。面接官が、より興味があるのは、「なぜ辞めたの?」より「なぜ我が社なの?」だからです。

最後にもう一点だけ。志望理由として「自分を成長させたい、スキルアップしたい」を挙げる方がいますが、これは要注意です。この理由は“想定採用枠”がポテンシャル採用だったり、大きな志望理由の補足的理由であったりすれば問題ありません。しかし、即戦力枠を期待されているのに、「スキルを磨くから志望する」では、筋が通らず、面接官も頭を抱えてしまうでしょう。「我が社があなたを採用するメリットは?」となってしまうわけです。「自分の成長」をメインの志望理由にもってくることはリスキーでとても防御的だとは言えないでしょう。

【対応方針】

  • 突っ込みを想定して、防御力重視。70点を狙う。
  • シンプル、簡潔、合理的!(突っ込まれにくい)
  • 退職理由のスタンスはとにかく自己責任
  • ボリュームは退職理由<志望理由を心がける
  • 「自分の成長のため」をメインの志望理由にしない(補足的ならOK)

流れ③ 志望理由への突っ込み

上記の答えにツッコミがなされます。どこを突かれるかは、わかりませんので、どれでも対応できるようにしておきましょう。基本パターンは、具体性を問われる、です。

例えば、

◆志望理由「現職の経験を活かして御社で活躍したい」の場合

  • 具体的にどんな業務経験がある?
  • 具体的にどんな活躍ができる?
  • 具体的にどんな業務を想像して活躍できると思った?

といった具合です。

【対応方針】

  • 志望理由の一言一句に対して、「具体性」を準備しておく。逆に、具体的にできないものは、志望理由から外す。

流れ④ 業界やウチのことどれくらい知っていますか?系の質問

ここはごまかしが利かない項目です。即戦力枠の場合、ある程度専門的な内容をきかれますので、自信がない場合は下調べが必須です。

例えば、私が大学事務の面接を受けたときは以下の質問が飛んできました。

  • 大学事務の業務内容って何がある、いくつか答えて?
  • うちが地域連携活動としてやっている活動にはどんなものがある?
  • うちの学部・学科ってどんなものがある?
  • うちの学生の主な就職先は知っている?

【対応方針】

  • 下調べをするしかないです

流れ⑤ 前職内容

ここでは前職についてのあれこれを聞かれます。面接評価の中で、とても重要なポジションにある質問です。典型的な質問と、“採用枠”を想定した型の質問の2パターンから成ることが多いです。

《典型パターン》

  • 前職での成功経験
  • 前職での失敗経験
  • 前職で学んだこと
  • 前職で仕事をする時に気を付けていたこと(ポリシーなど)

《枠に関する質問》

例えば、「協調性」「協力性」を重視する場合。

  • 仲間と協力してやりとげたこと
  • コミュニケーション不足から起きてしまったこと
  • 上司や部下と意見が食い違った時どうしていたか

など

例えば、「積極性」「向上心」を重視する場合

  • これまで自分が事業(プロジェクト)を先導して進めた経験はあるか
  • 仕事を効率的に進めるためにあなたが行った工夫を具体的に教えて欲しい

など

【対応方針】

  • この流れ⑤こそ、すでに準備してきたあなたの<前職エピソード>をフルに活用できる項目となります。しっかりアピールしましょう。

流れ⑥ 個人的内容・仕事観

ここでは前職と切り離して、あなた自身の性質や仕事に対する考え方を中心に質問されます。仕事に対する考え方の質問は、特に重要度高めです。

《質問例》

  • あなたの長所は何か?
  • あなたの短所は何か?
  • あなたが最も影響を受けた人はどんな人か。
  • 現在、努力していることはあるか。
  • 一番長く続けていることは何か。
  • 仕事において質と量とどちらが優先されるべきだと思うか?(理由も)
  • 組織においてスペシャリストとジェネラリストのどちらが重要だと思うか?(理由も)

これはあくまで私の経験ですが、<仕事観>を問うパートでは、「質or量」、「専門or汎用」といった2項対立の質問が含まれることが多かったです。そしてその場合、片方と言い切ると支障が生じるように設定されている気がします。「質」とも「量」とも言い切ると、(あるいは「専門」/「汎用」)じゃあ片方は無視していいの?という風になってしまうので、一方を選びつつ、片方にもフォローを入れる、という高等テクが必要になってきます。こういった選びきれない葛藤を要する質問が近年流行っています。要するに、実際の仕事でも“板ばさみ”になることは多々あるので、その時に賢く対応できる人材なのかどうかを疑似的に試しているのです。

ちなみに模範解答は、

  • いかなる場合でも最低限の質の確保を最優先するが、それ以上の質を優先するか量を優先するかは時と場合によって判断する。
  • どちらも組織には欠かせない人材だが、組織を安定させる、という意味合いにおいてはジェネラリストの比率が高い方が良いと考える。

などになるのではないでしょうか。

【対応方針】

  • 葛藤型の質問が来る可能性を知っておく。その場合、必ず選択しなかった側へのフォローをする。

流れ⑦ キークエスチョン

※重要度MAXです。

最後に、最も重要な質問が飛んできます。

それは、「あなたが採用以降の明確なビジョンをもっているかどうか」についての質問です。具体的には以下のような質問となるでしょう。

  • あなたはウチでどのような活躍ができると思いますか?
  • ウチで働くことで、あなたはどのような目的を達成したいですか?

まったく同じ質問でなくとも、似たような質問がなされるはずです。場合によっては、流れ③の志望理由のツッコミとして、聞かれることもあるでしょう。これらは絶対に回答を用意しておきたい質問です。

あなたの前職経験や個人的特徴、キャリア観と先方との親和性をしっかりアピールできれば良いわけです。こういう経験があるから、こういう強みがあるから、ここでこのように活躍できます、といった具合です。あるいは、こういったキャリアを考えており、〇〇という理由で御社がそれにピッタリと当てはまる、などという感じでしょうか。その際、重要なのはやはり相手側の採用しようとしている人物像に近いイメージを与えられるかどうか、ということになります。やはり、ここでも採用枠の想定が肝ということです。

【対応方針】

  • 前職経験や個人的特徴、キャリア観と先方との親和性を“採用枠”を想定してアピールできるように準備しておく。

流れ⑧ 確認事項

最後に事務的な確認事項があって終わることが多いです。

  • いつから働ける
  • ほかにもどこか受けてる?

などのことです。



さてここで、流れを再度まとめておきます。

  • アイスブレイク
  • 志望理由
  • 志望理由へのツッコミ
  • 業界や先方の予備知識を問われる
  • 前職経験について
  • 個人的特徴や仕事観
  • キークエスチョン
  • 事務連絡

これがフルパターンです。どこかの項目が抜ける可能性はありますが、これだけ準備しておけば、本番で予想外の展開に出合う可能性は低いでしょう。

ステップ④ 質問と回答の想定

最後のステップは面接の質問想定です。ここでやることは①~⑧の面接ステップの項目でどんな質問がなされ、それにどう答えるのか、その想定作業です。答えは暗記などする必要は全くありません。エッセンスだけキーワードだけ準備しておく程度で十分です。大事なのは、「自分が面接をしに行くところの材用枠から逆算して質問を想定する」ことです。

ノートでもメモ帳でもいいですので、上記①~⑧の項目に質問と答えを書いていきましょう。箇条書きで、ごくごくシンプルな構成でいいです。最初、質問の想定ができない場合は、前章で私が挙げたサンプルをそのまま使ってみてください。

なぜこんな作業をするのかというと、あなたが質問を想定し、答えを自分で考えるという一連の思考が、面接時にもっとも活躍する知識の血肉となるからです。なかなか言葉で説明するのは難しいのですが、この作業があなたの面接力の核を作ることは間違いないです。一番大事なところは、自分の頭で考える、回り道のようでいて、じつはそれが採用への一番の近道なのです。

この作業を繰り返せば繰り返すほど、自分の中に面接ストックができてきて、面接を重ねるたび、面接の準備が楽になっていきます。頑張ってください。

第4章 おまけ 面接の裏話

鶴の一声、はあるか?ーーーあります

鶴の一声、みたいなものは、実際、あります。

この人が良い、と言ったら即通っちゃう、みたいな。

そして、逆もしかり、なんです。

一人が、「採用不可」と書いてしまえば、その他の人が良い評価でも、まず落とされます。だって「採用不可」と書いた人の面目を保たないといけませんからね…

ですから、面接を受ける者としてできる最善の方法は、「誰からも悪い評価をもらわないこと」ということになります。ここ、ものすごく大事なポイントなので覚えておいてください。

ということは、ですよ。ということは、極論や、主観的な考えの強すぎる論、エキセントリックな答え、みたいなものって、本当にダメなんです。

面接官に、AさんとBさんがいるとしましょう。

Aさんには猛烈に好印象を与えるけど、Bさんには不誠実な印象を与える回答。これは、NGということです。

それよりも、AさんもBさんも「なるほどね」って言う答えがベストなんです。

「個人に対するベストより、全体に対するベター。」

これが面接の鉄則だと言えます。

もちろん小さな企業なんかは、面接官が社長や担当一人だけ、ということもあるので、その時は上記の限りではないです。

最後に

以上、面接編でした。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

「転職活動完全ロードマップ」については、これで完結の予定です。

これからは転職記事ではなくて、投資系の記事をたくさん書いていきたいなと思っています。

また別の場所でお会いしましょう。では。

【前編(意志決定から書類の提出まで)】転職活動完全ロードマップ

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