転職活動完全ロードマップ 【第四章】転職活動の準備

【第四章】 転職活動の準備

第一節 3種の神器

転職活動の次なるステップは、情報収集の準備です。転職の軸に基づいて希望業界を決め、職種を決め、応募企業を決め、書類作成と面接対策をしていくわけですが、すべてのステップにおいて良質な情報が必要不可欠です。情報の質とその活用が転職活動の結果に大きな影響を与えるということは皆さんも想像に難くないと思います。そこで本章では、転職における情報収集のためのツールをご紹介します。これだけは利用した方がいい、と胸を張って言える基本王道ツールです。

1.就職四季報

1つ目が就職四季報です。これはもっていないなら即買うべき代物です。東洋経済新報社さんが独自に調査されて出版されているもので、就職本の中で最も信頼でき、かつ最も売れている本です。新卒だけでなく転職者にも十分に価値があります。是非手に入れましょう。


【内容】
記載されているのは以下のような事柄です。

・企業概要
・会社が求める人材
・試験内容
・採用実績
・平均年収
・初任給
・有給休暇取得状況
・3年後離職率
・休日日数
・男女比率
・簡単な業績


【ラインナップ】
就職四季報には、

・総合版(大手1270社掲載)
・優良中堅企業版(上場2571社+地域別2046社掲載)
・女子版(産休・育休期間、子どもをもつ女性社員数、女性の3年後離職率など記載)
・企業地図版(業界動向の全貌がわかる。神本)
※↑は2021年度バージョンの情報です。

などがあり自分にとって便利な一冊を選ぶことが大切です。おすすめは企業地図と+1冊です。企業地図を使って業界を絞り、総合版などを使ってピンポイントで企業データを拾うのがベストですね。

2.大手転職サイト

このタイミングで大手の転職サイトへの登録をしておきましょう。


リクナビNEXT
doda
マイナビ

などが一般的かと思います。ちなみに「リクルートエージェント」という有名サイトもありますが、これは「リクナビNEXT」の姉妹サイトで転職エージェント専用です。
「リクナビNEXT」がweb上での気軽な応募を専門にしているのに対し、「リクルートエージェント」は、転職エージェント(別章で詳しく解説します)を利用した非公開求人専門のガチ転職サービスサイトです。ちなみに母体はリクルートキャリアといって同一です。

他にもハイクラス転職専門の「ビズリーチ」や未経験からIT業界を狙うなら「ワークポート」など、専門的な転職サイトも多々ありますが、業種や職種がまだ定まっていない状態で利用するなら上記のようなサイトを使うことになると思います。

登録をすると、どのような企業がどのような求人を出しているのかを見ることができます。業界や職種ごとにどのような特徴があるのかを把握するのにとても役立ちますが、あまりここに時間を使い過ぎるのは効率が良くありません。とりあえず今は、登録を済ませて業種と職種の特徴を探る、くらいに留めておいた方が良いと思います。例えばdodaや先に紹介したリクルートエージェントには転職エージェントサービスがありますが、これの登録はもう少し後で良いです。なぜなら、登録をするとすぐに連絡が来て面談のスケジューリングを求められるからです。その面談にもコツがありますので、もう少しこちらの準備が整ってからでも遅くはないでしょう。また、転職サイトでは登録をするとすぐに職務経歴書や履歴書のアップロードを求められます。これは、サイト側が企業側へのスカウトサービスを提供しているためで、これをアップロードしておけば勝手に企業側から面接しませんか?などの連絡が届くことがあります。もし今の時点で書けるようでしたら書いてみても良いと思いますが、必須ではありません。むしろ、いま大事なのは業種と職種調べですから時間に限りがあるのならそのことを優先したいところです。

少し話は変わって、これら大手の転職サイトですが、さすが大手というだけあって企業側も利用しているところは多いですから、利用する際は是非、自分が今在職している企業へは自分の情報を非公開扱いにしておきましょう。転職活動していることを表明しているとか、バレても問題ないということであれば話は別ですが、普通知られたくないですよね。

ちなみに私は、自分の勤めていた企業がマイナビのスカウトサービスを利用して、ある日突然上司から「転職活動してるよね?」と電話がかかってきたことがありました……(汗)

ピンポイントで特定の企業に対してのみ情報を非公開にすることができますので、これはしておいた方が良いかと思います。

3.企業の口コミサイト

企業の口コミサイトは、実際にその会社に在籍をしている人や在籍をしていた人の生の声を聞けるという点で、大変価値があります。特に、社内の雰囲気、風通し、社風、繁忙期、活躍している人の特徴、部署間の関係など数字にはあらわれにくい面を知るのに欠かせません。いくつかおすすめサイトを特徴と共に紹介しておきますので、気に入ったところにサクッと登録しておきましょう。

おすすめ①「Open Work

【特徴】
口コミ数、企業評価数、ユーザー量が他に比べて圧倒的に多い。しかし、中小企業やベンチャー企業の情報は少なめ。また、利用するには同社の展開する転職サービスへの登録が必要。

【Open Woksの口コミの構成要素】
・組織体制 企業文化
・働きがい 成長
・ワークライフバランス
・企業の強み、弱み、展望
・入社理由 入社後のギャップ
・女性の働き易さ
・退職検討理由
・経営者への提言

【Open Work の社員による会社評価スコアの構成要素】
・社員の士気
・風通しの良さ
・社員の相互尊重
・若手の成長環境
・人材の長期育成
・法令順守意識
・人事評価の適正さ

おすすめ②「en Lighthouse」(旧:カイシャの評判)

【特徴】
国内最大級の口コミ数を誇る。評判スコアが大きなグラフで示されるので見やすい。会員登録をしなくても上位2件の口コミは全て閲覧することができる。また、会社のフォローシステムがあり新着情報を追跡可能。給与情報はやや見にくい。地方の会社はやや少なめ。

【en Lighthouse の口コミの構成要素】
・福利厚生 オフィス環境
・企業カルチャー 組織体制
・成長 働きがい
・事業展望 強み 弱み
・働き方(勤務時間・休日休暇・制度)
・女性の働きやすさ
・入社前とのギャップ
・年収 給与

【en Lighthouse の社員による会社の評判スコアの構成要素】
・会社の成長性と将来性
・事業の優位性と独自性
・実力主義
・活気ある風土
・20代成長環境
・仕事を通じた社会貢献
・イノベーションへの挑戦
・経営陣の手腕

おすすめ③「転職会議」 ※イチオシです

【特徴】
国内最大級のユーザー数を誇る。新卒向けでなく転職専用。勤務地や職種から簡単にリサーチをかけられる。また、口コミの構成要素に「面接・選考」のカテゴリがあり、採用に関する情報も得ることができる。企業フォロー制度もあり。会員登録をしないとほぼ情報を見ることができないことを除けば、これといったデメリットは見当たらない。

【転職会議の口コミ構成要素】
・年収、評価制度
・退職理由、退職検討理由
・面接、選考
・仕事のやりがい、面白み
・事業の成長性や将来性
・入社理由、入社後に感じたギャップ
・社長の魅力
・ワークライフバランス
・福利厚生、社内制度
・女性の働きやすさ、キャリア
・社員、管理職の魅力
・スキルアップ、キャリア開発、教育体制


【転職会議の社員による会社の評価スコアの構成要素】
・給与水準
・企業の成長性、将来性
・企業の理念と浸透性
・社員の雰囲気
・福利厚生
・企業の安定性
・仕事のやりがい
・ブランドイメージ
・入社難易度
・教育、研修制度


もちろんここで紹介したもの以外にも有用なものはたくさんあります。しかし、数が多ければ多い方が良いというわけでもありません。時間は限られていますから、「これは信頼ができる!」「これは使いやすい!」というものが過不足あれば十分だと思います。そういった意味で上記で紹介した3つの情報ソースはどれもユーザー数や実績から判断しても、使いやすく信頼に足るものばかりだと思いますので、安心して利用してください。

さていよいよ転職活動の本丸を攻略していきましょう。

続いては、【第五章】ホワイト企業分析・ブラック企業分析、です!!

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