転職活動完全ロードマップ【第七章】書類作成〜履歴書編〜
【第七章】 書類作成〜履歴書編〜
企業分析やエージェントサービス利用の段階までくると、そろそろ自分の本命転職先が見えてくるようになります。自分の転職の軸と合致し、ブラック企業の雰囲気もない、ホームページや口コミサイトを調べると何か惹かれるものもある・・・「ここなら働いてみたい」と思える企業候補がいくつか集まってきたら、いよいよ書類作成の段階です。
普通、中途採用の応募には2種類の書類が必要になります。履歴書と、職務経歴書です。
転職活動の運命を左右するといっても過言ではない書類作成。面接へとつながる書類はどうやって作成すればよいのでしょうか。本章と次章で徹底的に解説します。
第一節 履歴書の基本の”き”
さて、まずは履歴書ですが、いきなり核心に迫ります。そもそもなぜ転職には、履歴書の提出が必要なのでしょう。そして、良い履歴書とはどんな履歴書なのでしょうか。
一言でいうと履歴書というものは、企業が採用プロセスの効率化のために「足切り」をするために利用する書類です。
一般的な採用選考の流れとして、多忙な採用担当者は、膨大な履歴書にザッと目を通し、足切りをします。その後「足切り」を免れた候補者の職務経歴書のみを読みます。そして最終的に面接に来させる人物を決定するのです。履歴書は選考の初期の初期に使われるもので、いわば選考の入り口です。
ですから、良い履歴書の定義は何か?という質問の答えはこうなります。「足切りを免れ、職務経歴書へと繋げる履歴書こそ良い履歴書である」と。履歴書に攻撃力はいらないんです。
また、もう一つポイントがあって、それは、
基本的に履歴書による足切りは「減点方式」で行われるということです。
企業によって様々な減点ポイントが設定されており、「足切り」が行われるわけです。正直、履歴書の中身は客観的データによるところが多く、なかなか小細工をするのは困難です。ですから、我々候補者にできることは、せめて客観的データ以外の部分で減点を最大限減らすこと、ということになります。
第二節 減点されない履歴書のための チェックリスト
繰り返しになりますが、履歴書の中身は創意工夫することが難しいです。年齢や出身大学を偽ることなどできませんよね。(したら別の問題が起きますww)
しかし、できることはあります。客観的データ以外の部分の減点を最大限減らし、粘り強い履歴書を作っていきましょう。ここからそのチェックポイントを列挙します。
- 1.履歴書のフォーマットは大手転職サイトからダウンロードする
変に目立たないし、過不足ない項目なので書きやすいです。
- 2.「備考欄」等のフリースペースが最低1つは用意されているフォーマットを用意する
理由は後から説明します。 - 3.手書きではなくPCで作成
変に目立つので手書きはNGです。 - 4.写真はプロに撮ってもらう
近所の写真屋さんでもいいです。明るい雰囲気、生気のある顔写真は自分では準備しにくいです。これ本当に大切なポイントです。自動証明写真機の写真は暗くて病的な顔になりがちです。減点の可能性ありですよ。 - 5.書体をそろえる
MS明朝の10.5か11.0の文字の大きさでそろえましょう。これなら減点されません。 - 6.数字やアルファベットは半角
当たり前ですが、統一しましょう。 - 7.基本は和暦で統一
普通は和暦で統一します。西暦と混在していないか何度もチェックを。 - 8.文字の先頭はそろっているか
文字の先頭がずれていると、「私、PC使えません」と宣言しているようなもの。
しっかり確認しましょう。ワードの表挿入のときなど、特に注意です。 - 9.難しすぎる言葉を使っていないか
たまに、自分の語彙力を誇示したいのかな、と疑わしい書類を作成する人がいますが、完全に逆効果です。平易な言葉で一文は短く。誰にでも伝わる文章が好まれます。これは職務経歴書でも同様です。 - 10.志望理由は凝りすぎない
履歴書には、簡単な志望理由欄が設けてあることが多いです。その場合、そこに複雑なストーリーや強すぎる情熱を埋め込むのはリスクが高いです。理由は簡単、「浮いちゃうから」です。浮くと減点ですから。志望理由は100点を取る必要はないんです。70点を目指しましょう。これは面接の際も同じですが、言葉をたくさん使った微妙なニュアンス伝達や複雑な論理展開が必要な志望理由は総じて地雷です。やめたほうがいいです。どうせ、履歴書の志望理由なんてたいして読まないんですから、わざわざ”浮いちゃう”リスクは取るだけ損です。フツーのことを書きましょう。 - 11.最終確認は紙面で
PC上で確認すると漏れが出やすいです。絶対に印刷されたもので最終確認をしましょう。
第三節 大きな減点をカバーする裏技
履歴書のなかで最大の減点事項は何か?それは、職歴の空白や、入社からの短すぎる退社、転職回数の多さ、など「会社・組織への定着に問題がある可能性」を示唆する事実です。
一度雇った人が辞めるときの企業側の経済的損失ってやばいんですよ。これは本当に知っておくべきです。企業の採用担当が一番避けたい、恐れているのは、まさにそれなんですね。採用したけど、半年でいなくなっちゃった・・・なんてことになったら企業は大ダメージだし、採用した責任者は上司にどやされる可能性が高いでしょう。
だから、会社をやめそうな人、会社に定着できないかもしれない人は、真っ先に足切り対象に入れられることになります。
で、問題が起きるんです。そうはいっても、実際にオレ、前の会社3ヶ月で辞めてるし、、、とか、そういえばオレ、1年間ニートしてたわ、、、とかそういう事実がある場合ですね。
これ、退社の時期や会社在籍の時期を偽っては書けないんですよ。物理的にできないことないかもしれないけれど、もしバレたら採用取り消しとか言われても文句言えなくなるし、せっかく入社した会社と揉めても辛いだけですから。つまり、そういう事実がある人は、どうにか対策をしないと大きな原点を食らっちゃうってことです。でも、どんな対策ができるのか、そもそもそんな対策可能なのか、と思いますよね。でも、実は一つあるんです。裏技が。
どうするかっていうと、結論、
「備考欄」のようなフリースペースに「これなら仕方ないよなぁ」と思わせるもっともらしい理由を書いておくんです。
例えば、以下は3ヶ月で前職を辞めている場合の言い訳例です。
- 例1.コロナ禍で、会社の業績が一気に傾き、早い転職を決定した。
- 例2.親の介護が必要となって、入社したときと同じ条件で働くことが困難になり、上司と相談した結果、転職を決めた。
- 例3.会社の経営方針が急激に代わり、危機感を覚えた。
などです。結構使えそうでしょう?
間違っても、会社の悪口やそれに近しいことは書かないようにしましょう。あくまでも責任の所在はこちら側です。
そのスタンスを崩すことなく、その上に「どうしても仕方なく」という理由、ニュアンスを表すことができればベストです。これって面接時でも必修の受け答えなので、ここで習得しておくことをオススメします。
この対策を取ることで、「3か月で辞めた事実は採用側企業としては受け入れにくい、歓迎できないものである」ということを私はきちんと承知していますよ!というアピールをすることができるわけですね。私は組織人としての一般感覚の共通理解が可能ですよ!って伝えることに意味があるわけです。減点が0になることはないかもしれませんが、確実に書いているほうが好印象です。この手順が必要な方は実行してみてくださいね。
履歴書作成についてはここまでです。
以上を参考に、防御力MAXの履歴書を作成してください。
続いては、【第八章】書類作成 〜職務経歴書編〜、です!